3月11日、震災後三回忌の南相馬へ

今月の常例法会「帰楽会」(きらくえ)は、
5月11日(土)19:30~開催いたします。
お気軽にお参りください。
※帰楽会では、親鸞聖人の著書『教行信証』の「行巻」の最後に収められた偈文、
「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)略称、正信偈〈しょうしんげ〉」を講読しています。
真宗だけでなく、広く仏教全般に脱線(^_^;)しながら、
やさしく、ゆっくりと読みすすめ、 法味をいただきたいと考えています。
一座ごとに完結する様つとめますので、
どなた様も何時からでもご自由にご参加ください。
報告が遅れましたが、震災3年目を迎えた3月11日、昨年に引き続き
南相馬ならびに宮城県岩沼市恵洪寺の震災三回忌法要に出勤してまいりました。
先ずは小高地区で復興作業を行っている復興会の宝玉さんより、三回忌法要をお願いできればと、ありがたいご依頼をいただきました。毎年震災の日に作業の皆さんで海に向かって黙祷を捧げておられたとのことです。
3月11日当日、作業の開始前に海辺でとの予定だったのですが、当日は風が強風のため、作業場での法要となりました。天台宗の寺院の寺守をしてらっしゃる宝玉さんが手早く祭壇を作ってくださりました。



法要後、「やっぱりお経様をあげてもらうと安心したよ」と有難いお言葉を頂戴しました。
そして、法衣から作業着へ変身。午前中の作業をご一緒させていただきました。

この日の作業は、小高地区の小さな瓦礫を集める作業、お天気はよかったものの強風で大変でした…。



「作業をしてらっしゃる山口さんのご自宅いつになったら建て直せるんだろ・・・・」と
ご立派なご自宅でした。
「この辺は皆これが普通の家で、お隣さんまで随分の距離があるような環境でずっと暮らしていたから隣の方の話し声が聞こえるような仮設住宅での暮らしが慣れなくて大変なのよ」と。


小高地区はまだまだ復興が始まったばかり。
復興会の作業は翌日、3月12日で今年度は最後とのことで、次回はまた国からの予算がでる5月ごろより再開とのことでした。皆さんしばしのお休み、また作業再開された際にお会いできることを楽しみにしています。
午後は原ノ町駅から岩沼市へ。一部再開の常磐線で相馬まで、相馬ー亘里間は代行バスです。
交通は昨年と変わらず、一刻もはやい電車の運行再開を望むばかりです。
岩沼市の臨済宗恵洪寺さんは震災発生時2011年3月末に始めて被災地を訪問した際からのご縁をいただいております。
三回忌法要に出勤いたしました。

平日でしたが、大勢の方々がお参りになられており、震災で亡くなられた方々に衷心より哀悼の誠を捧げお勤めいたしました。
急いで横浜へ戻り、夜は当院で震災三回忌法要を厳修いたしました。

皆さんで多くの失われた命を偲び、生かされているこの命に感謝し法要を執り行いました。

法要後は、恒例の被災地のお茶やお酒をいただきながら恒例の酒茶話会です。
震災後3年、依然として先が見えず不便な仮設住宅での暮らしからうつ病を患ったMさん。
また仕事や子供の学校等の関係で家族が離れ離れになり苦しんでらっしゃるHさん。
Hさんの回りでは家族がバラバラになって離婚される方が増えているとのお話を伺いました。
瓦礫等の物質的な復興もさることながら被災された方々の心の問題、
自分には何ができるのかと改めて深く問いなおした今回の南相馬訪問でした。
石巻へその6
石巻へ行って参りました。
この度は市の北東部にある北上町十三浜へ、北上川河口より、リアス式海岸沿いに13の集落が点在する地域です。
ほとんどが漁業集落で、ワカメや昆布・フノリなどの海藻類、ホタテ・アワビ・ウニなど豊かな水産資源に恵まれた所です。
震災の被害は甚大で十三浜全体が被災し、石巻市北上総合支所と吉浜・相川の小学校含む約600戸が全半壊、死者・行方不明者は約230名に上りました。
写真は北上川下流

十三浜の一つ、白浜。海水浴場としても人気だったそうです。

白浜の海岸堤防予定地、紅白のラインに沿って造られます。

予定表の立て札

傾聴の場は北上中学の向かい、
多目的スポーツ施設に建てられた「仮設にっこりサンパーク団地」です。


178戸、北上町最大の仮設住宅団地です。
決して広くはなく商店も一つだけで不自由が多いとのことですが、
開成仮設と違い交流のある集落の方々ばかりでなので
隣近所の一体感を感じました。
この日は移動販売のコンビニが来ていました。

先ずは外回りの準備から。K師、ヤル気出してるね!

お迎えの準備を進めます。

綺麗なお花も飾ります。

手のひら地蔵などのアイテムも並べて。。。

Café de Monk オープン☆

手分けして各戸に来店のお声がけです。
平日のためか半数以上が仕事などでご不在でした。

「昼はねー、あんまり家に人いないっちゃ」

今日のお菓子も素敵です。この日はパティシエさんも来ていました。

月浜の方、家は全壊しました。
自宅の白いソファーがかなり離れた前出の白浜に流れ着いたそうです。
この方より吉浜小学校(月浜)の被災状況をうかがいました。
津波は最上階/3階の天井付近まで達しました。
当時生徒6人と教職員10人が校内にいましたが屋上の天辺に逃げ、迫りくる津波を前に全員で手をつなぎ励ましあったそうです。幸い、ギリギリのところで津波が通り過ぎたため難をのがれましたが、救助を待つ間、あちこちから助けを求める声が聞こえ、先生は生徒たちに耳をふさがせたそうです。
また、火葬ができずに土葬を余儀なくされた方々の悲しみを話してくださいました。
強い憤りの中で行われた土葬ですが、現場に立ち会った親族から極めて厳粛に執り行われたと聞いたそうです。
自衛隊の方々が最高の礼を尽くして行われたとのことで、悲憤の思いが少しだけ和らいだそうです。現在はそれぞれの墓所に改葬されました。

木村師はNPO法人みやぎ子ども養育支援の会を主宰しておられます。
穏やかな笑顔でいつも子供たちに大人気です。

イケメンのT師は女の子にモテモテ、ハンドボールやかけっこ、鬼ごっこと引く手あまたです。
お疲れさまでした。

カフェ・デ・モンク主宰のガンジー金田師、皆さんでつちぼとけを作っています。
このあと金田師より「ちょっと一緒にきてくれないか」と声をかけられ、あるお宅へ伺いました。
「この方は支所(石巻市北上総合支所)で勤めてた娘さんを津波で亡くされたんだ」
支所は新しく堅牢な建物で避難先にもなっていましたが、予想を超えた津波の前に全壊、中にいた市職員と住民57人中54人が犠牲となりました。
「生き残った3人の証言で当時の様子がわかったんだよ、今日は三回忌のお勤めだ」
厳粛にお勤めし、お念仏申させていただきました。
お勤めの後、ご夫婦よりお話を伺いました。
ご主人「どうしようもない悲しみの中での2年だったが、
新たに船を建造し漁に出たり、ワカメを作ったりする中ですこしずつ前向きになってきた」
「アワビもウニもたくさんとれるよ、海は再生してきてる」
奥さん「もう二度と海は見たくないと思っていたし、
行きもしなかった。昔は大好きだったんだけどね」
「でも、夫が何度も誘ってくれてね。このごろやっと海にでるようになったのよ」
「いまは岩場のフノリをとって、みんなに配るのが楽しみなの」
岩場は地盤沈下して渡りにくく、フノリを干す道具もなくなってしまったそうですが、工夫して作っているそうです。
私が「豊かな海なんですね」と言うとご夫婦で肯かれ、
金田師が「実に豊かだ、海は津波で全てを壊し、奪っていったが、豊かな恵みを与えてもくれる。ここで生きて行けと言ってるんだ」と言うと涙を浮かべ肯いておられました。
金田師の言葉は胸の奥深くにスッと入り、私も大きく肯いていました。
あの日以来、休むことなく現地の方の心に寄り添い抜かれてきた方だからこそ発することのできる力強くあたたかい言葉です。
己の未熟不明を恥じ、感動しながら金田師の言葉を聴きました。
また、ご主人が「神楽まつり、やろうとしてるんだ」と言うと
金田師は「まつりは大事だ、前に進む力になる」と言い、皆で笑顔になりました。

いただいたワカメとフノリ、フノリは特に味噌汁にあいます。


南相馬1日Barイベント第3弾!
高見町仮設の集会所で開催致します。
この度も微力ながら会場等のアレンジを担当させていただきました。
皆様とのご縁を楽しみにしております。
今回参加されるバーテンダーさんは下記の5名の方々です。
有田 王城 さん(日本バーテンダー協会横浜支部 支部長)Bar HALEKURANI
横浜市神奈川区栄町ヨコハマポートサイド フォンテ1F
岸本 さとし さん ダイニングバー 岸本酒房 横浜市中区曙町 1-10-10第一小林ビル 1F
山田 郁 さん Bar Noble 横浜市中区吉田町 2-7VALS吉田町 1F
小作 智也 さん Bar ACL 横浜市中区山下町61-1
高野 真 さん Bar Chapter 横浜市神奈川区白楽100 のれん会館第一ビル 1F

第1回目のバーイベントの開催報告です
第2回目のバーイベントの開催報告です
灌仏会(花まつり)と四月帰楽会

☆灌仏会(花まつり)と四月帰楽会ご案内☆
灌仏会(花まつり)は、お釈迦さまの誕生をお祝いする行事です。
お釈迦さまのお誕生日を一緒にお祝いしましょう。
法要後、被災地復興を願う酒茶の会を開催します。
今期の酒造りも終わる頃です、被災地のお酒をいただいて彼の地を応援しませんか?
当院でもご用意しますが、お酒や食物の持込みは大歓迎です。
特に精進コードや禁忌は設けません、いのちに感謝していただきましょう。
どうぞ気軽にご参加ください。
※今月の帰楽会は、灌仏会と兼ねての開催といたします。
【日時】2013年4月11日(木) 19時30分~
【場所】帰楽院(横浜市保土ヶ谷区岩井町64-2-1F) 地図はこちら
JR横須賀線・湘南新宿ライン保土ヶ谷駅(東口をでて大通りを右へお進みください)徒歩3分
【内容】お勤め(読経)・法話 酒茶会
☆参加費、持込みは任意、ご予約は不要です。