九月帰楽会(きらくえ)のご案内
この度の帰楽会は「お盆の法要」として皆さんとお勤めし、
その後茶話会…の予定でしたが、またまた被災地のお酒を酌み交わす酒話会になり、
院主のメートルがあがり(お若い方はご存知ないと思いますが、良く飲んだという意味です)、
お恥ずかしいことでしたが、皆さまとたくさんお話ができてうれしかったです。
その際お参りいただいた方よりメールをいただきましたので、
ご本人の了承をいただき掲載します。
『先日は帰楽会に参列させて頂き、ありがとうございます。
また温かいおもてなし、温かいお話、感謝しております。
やはり今の8月盆時期が、1年で最も死者を身近に感じると痛感します。
(彼岸より、7月新盆より、圧倒的に今に、それを感じます)
早め早めに調整して、御経をお願いしておけばよかったとも感じております。
また参列させて頂きたいと考えております。
……本当に地獄のような苦しい中での結ばせて頂いたご縁ですが、
尊い御縁を続けさせて頂いていると実感しております。
これからもどうか末永いお付き合いのほど、よろしくお願い致します。』(M.A様)
M.A様、こんな小さなお寺ですが、
こちらこそ末永くご一緒いただきたくよろしくお願い申し上げます。
次回の帰楽会は、
9月11日(日)19:30~を予定しております。
東日本大震災より六か月、
また、アメリカ同時多発テロ事件より十年。
秋のお彼岸を迎える当月、
震災とテロによっていのちを失われた方々の
追悼と平和を念じて法要を厳修いたします。
申込不要・参加費無料です。
皆さまどうぞお参りください。
復興いも!収穫に行ってまいりました
津波にの流され何もなくなってしまった畑に植えたジャガイモは、塩害をモノともせず見事に育って収穫を迎えました。

畑には、じゃがいものほかに、すいか、ミニトマト、とうもろこし(残念ながらとうもろこしはすべてハクビシンに食べられてしまい収穫できず)等が植えられています。採れたてのすいかを八津尾さんが、カッターで素早く切って食べさせてくれました。採れたてのすいかやミニトマトは舌の上に驚くほどに甘く、みずみずしく全てにみなぎる生命の力強さを感じました。
※ベクレル測定の結果、これらの野菜や果物は全て国の基準値500ベクレル以下でした。
じゃがいも86ベクレル/kg トウモロコシ46 玉ねぎ81 サツマイモ87 ナス0など です。
全て南相馬市の萱浜地区で収穫された野菜です。
http://ffpb.jp/ 福島復興プロジェクトに依頼し計測した結果です。

その後、海水を被っていない八尾夫さんの畑の野菜の収穫をお手伝いしました。
じゃがいも、茄子、かぼちゃ、きゅうりなど沢山の野菜を収穫しお土産にいただきました。

収穫したじゃがいも。ポテトチップスなどに使用される品種のじゃがいもだそうです。
収穫作業後、安否情報等の伝言板が立てられていた南相馬市原町区南萱浜に参りました。
すでに伝言板は撤去され、隣の消防団詰所が礼拝施設となっていました。
5月に伺った際に自衛隊の方に洗っていただいた津波で流された木彫りの仏様が御本尊です。
4月にお会いした、ご近所に住んでいる消防団の方もご一緒にお念仏申させていただき、新盆法要を勤めさせていただきました。萱浜地区では依然17名の方が不明とのこと、毎週日曜日には地元の有志の方々が捜索を続けられているとのことです。

引き続き八津尾家の墓前読経に参りました。同じ敷地内には津波でお亡くなりになられた組長さんのお墓がありますが、一帯すべての墓石はその被害を被って基礎しかのこっていません。八尾夫さんがお世話になったとのことで、そちらのお墓の前でも新盆法要をお勤めさせていただきました。ちょうどご近所さまもお参りで八尾夫さんが「友人が読経するからと」とお声がけいただきご一緒にお参りいただきました。
八津尾さんが「友人」と言ってくださったことがとても嬉しく励みになりました!

原町第一小学校の避難所にもお邪魔いたしました。仮設住宅への移住が進む中、訪問した時点で50名ほどの方々が避難所生活を送っておられました。以前お会いした何人かの方は仮設住宅へ移住していました。人数が減り、広々はしたものの、冷房もなく暑い生活を送ってらっしゃいます。
前回、ひまわり大作戦で植えたひまわり。
南相馬の太陽の光に燦々と輝くひまわり畑はとても美しく見事でした。
ひまわり大作戦の収穫イベントは、8月27日(土)に行われます。

4月に訪問させていただいて以来、4度目となる今回、最初に追悼法要とお取次のご縁をいただいた所で、新盆のご法要をお勤めさせていただけたことが、自分の思いを超えた仏さまのお慈悲とお導きと深く感じられ、大変有難いご縁といただいております。 称名
掲示板の言葉

この時節美しい花を咲かせる蓮ですが、
蓮は、泥池でなければ育ちません。
一般的には泥にあっても泥に染まらず咲く花として、
汚泥のような我欲の迷いや苦しみの俗世にあっても
それに染まらず清らかな悟りを保つことの例えとなっていますが、
悟りの「花」と我欲の迷いの「泥」とは別のものではありません。
泥がなければ蓮の花は咲きません。
迷いという汚泥があるから悟り(めざめ)の花が咲くのです。
このドロドロ、グズグズした汚泥こそ私たちの人生といえるでしょう。
愛しあい、思うようにならぬと憎み、損をした得をした、
他と優劣を比べていい気になったり落ち込んだり、
こんなはずじゃなかった等など、底の知れない汚泥の深さです。
命(みほとけ)は、この汚泥にあます所なくしっかりと根をはりめぐらせて、
汚泥をまるごとつつんで常にともにあります。
汚泥のなかにあっても蓮根を切れば真っ白なように、
私たちの暗き迷いを晴らす智慧と、
どのようなものがどのような苦しみにあっても必ず救うという慈悲が
強い願いとなって汚泥に染まらず、汚泥を目あてにあかあかと輝き呼びかけてくださっています。
私たちが苦しみの中でその真実にであうとき、そこに「悟り(めざめ)」の花が咲くのです。
苦しいからこそ、悲しいからこそ、「めざめ」のよろこびにであうことができるのです。
たのみもしないのに、苦を転ずるはたらきがしっかりと
常に私たちの身におよんでいることに 「うなずき」
安心をいただき感謝の念をもって日々歩みたいと思います。
帰楽市
帰楽市を開催するにあたり、院守学生時代の同級生の教念寺様がシーツやタオルケット等の物資を提供にご協力くださいました。
最初にご購入いただいた方はお買い物帰りの方で、息子様が南相馬の原町でお生まれになったとのこと!
なんとも不思議なご縁にただただ驚くばかりでした。
お盆に南相馬を再訪する予定です。
帰楽市の収益は全て被災地の方々のために役立たせていただきます。

南相馬市の避難所の体育館は、冷房もなくこの暑さで熱中症になり病院に搬送されたお年寄りもおられると伺いました。また、すべての方々の仮設住宅が整わず多くの方々が避難所生活を続けていらっしゃいます。
一方、宮城の多賀城市民さんからメールにてご連絡をいただいたところ、多賀城市では、先日、多賀城市の避難所から最後の方が仮設住宅に移られ、避難所は全て閉鎖になったとのことです。
仮設住宅には、ボランティアさんのご協力でグリーンカーテン(つる植物用のネット)が張られ、アサガオが勢い良く伸び、日照のきつい時にも涼しさが感じられるとのことです。
皆様が少しでも心落ち着いた生活を送られるようになれたことを嬉しくお聞かせをいただきました。
帰楽市は不定期ですが、継続的に開催していく予定です。
ツイッターやブログにてお知らせしますが、お近くをお立ち寄りの際はお立ち寄りいただけると幸いです。